瓦のご紹介

彩陶瓦「陶器(Touki)」日本人の住宅建築に対する意識の変化に、色彩という可能性で応えた瓦。

現代人の生活様式が求めた豊かな色彩。

日本が高度成長時代に向かう昭和40年代、生活やファッションの洋風化によってさまざまな色彩が街にあふれだした頃から<陶器瓦>は大きく普及していきます。瓦を焼成する際に、無機顔料を含む「釉薬」を施した<陶器瓦>は、じつにさまざまな色彩を瓦にもたらしました。水墨画のような日本的景観を、西洋絵画のような明るい風景へと変えていったのです。

瓦の新たな出発点として刻まれる功績。

<陶器瓦>そのものの歴史は意外と古く、767年、平安京の東院玉殿に葺かれたという記述が「続日本紀」に残されており、多くの出土品もその事実を裏づけています。現在では、景観や街並みに対する意識の変化が<陶器瓦>の使用減少という傾向を招いていますが、建物意匠に選択肢を与えてきた存在価値は、いまだ失われてはいません。なによりも、色彩という瓦が持つ可能性をあらためて示唆した功績は大きいといえるでしょう。朱華や焔といった彩陶瓦も、こうした<陶器瓦>での経験をもとに、新たな時代の色彩追求を出発点としているからです。

屋根材 56判和形/S形/本葺SS工法瓦

施工例

美乃里

所在/大阪府八尾市
設計/竹原義二(無有建築工房)

特別仕様土管瓦
"土と陶の工房"と題された<美乃里>は、アトリエ棟と住宅棟が、意識的に切り離されて敷地内に共存。ゆるやかな曲線を描くユニークな屋根には、土管型をした陶器瓦(7寸大紐丸)が採用されています。建物周辺には石や土が数多く配置され、自然素材同士のコラボレーションが独特の落ち着きを演出。貸倉庫や工場が田畑のなかに乱立するという無秩序な環境の中にあって、まるで"文化を誕生させよう"という意志さえ感じさせます。
北淡ICトイレ

所在/兵庫県淡路島北淡町

本葺SS工法瓦
一見しただけでは何の建物かと考え込んでしまいそうなほど、ユニークな外観を持つトイレです。マロンピンクとクリームイエロー、二色の陶器瓦を使い分けた屋根部分や柱の根本部分が特に印象的。陽気な南ヨーロッパを思わせるようなポップな感性が、インターチェンジのトイレという無個性になりがちな空間を、エンターテイメント精神にあふれた空間に一転させています。
横浜市立金沢動物園・アートウォール

第11回 特別賞 所在/神奈川県横浜市 
製作/木村謙一(木村謙一美術工房)

 
あらかじめ破片状にして焼成されたカラフルな陶器瓦を利用したモザイク・アート作品です。作者である木村氏は、絵画の勉強後、左官修行をおこなったというユニークな経歴の持ち主で、この作品を創造するにあたってもノミズの淡路島工場を連日訪問。必要な形状・色彩をスケッチとして提示し、工場スタッフがそれをもとに瓦を焼き上げるという異例の手順を経て完成しました。
56判和型
シルバー 銀黒 青緑 オレンジ 栗色
S型
濃チョコ 銀黒 青緑 オレンジ 素焼

※上記以外のカラーバリエーションについてはお問い合わせください。

このページのトップへ